|第7回|中島昇治さん<株式会社 豆の匠 中島豆腐>
●中島昇治さん(株式会社 豆の匠 中島豆腐 代表取締役社長)
「豆腐ってのは、本来なにもつけなくてもうまいんですよ。ちゃんと豆の味がするからね。なにかをつけなきゃいけないってのは、味がないってこと。」
岐阜県中津川市で「豆の匠 中島豆腐」を営む中島昇治さんは、そう語ります。
おいしい豆腐を作るのに必要なのは、良質な国産大豆・澄んだ水・天然のにがり、そしてそれを引き出す職人技。熟練の技がなければ、本当においしい豆腐は作れません。
|こだわりの豆腐作りがはじまるまで
昭和24年にお祖母様が豆腐屋をはじめられ、中島さんが跡を継いで20数年になるそう。
「僕は26歳で家業に入って、それからはずっとスーパーの豆腐を作っていたんです。ここに店を移転する頃は、睡眠時間が毎日2、3時間でね。朝から晩まで豆腐を作っていました。他から安い豆腐が入ってくるでしょう?価格競争になって、どんどん安くしないといけなくなったのね。それが3年間続いて、このままじゃ身体がおかしくなると思って。今のような豆腐作りを考えはじめたんです。」
粗悪な原材料や薬品の添加、消費者の健康を無視した豆腐業界の現状への疑問も大きかったと言います。
「スーパーの豆腐を作っていても、ちょっとも納得できなかったんですよね。豆腐用の凝固剤(硫酸カルシウム)と輸入大豆で作る豆腐なんて、はっきり言って豆腐じゃないと僕は思っています。だけどみんな「白くて四角い物」が豆腐だと思ってしまっている。
ほとんどの豆腐には、にがりは使われていないって知ってますか?天然のにがりで作ると、たくさんとれても60キロの大豆からだいたい400〜500丁の豆腐になればいいところ。凝固剤を使うと3000丁〜4000丁。これがスーパーの特売の豆腐です。
輸入大豆も汚れているから、洗う必要があるんですよね。今みたいに機械のタンクがないときは手で洗っていたから、ぼろっぼろになっちゃって。薬品がかけてあるから当然ですよね。そんなものを使って、食品なんて作れないと僕は思ったんです。」
自分が本当に納得できる素材、胸を張って安心だと言える本物の豆腐。
しかし当初は、従来の化学薬品の味、低価格に慣れてしまっているお客さんにはなかなか受け入れてもらえず、辛い時代が続いたといいます。
それでも決してぶれることなく、奥様と共に自分たちが信じる豆腐作りを続けた結果、百貨店や老舗旅館、本物志向のお客さんの間で着々と評判が広がり、今では全国にファンを持つ人気豆腐となりました。
|一丁800円。それでもファンは、この豆腐を求める。
中島豆腐の豆腐は、このようにプラスチックのタッパーで販売されています。
「豆腐は本当にデリケートなもの。
水につけるだけで、味は半分に落ちる。ものすごく繊細です。」
タッパーに直接豆乳とにがりを入れて作られるため、この形でないと販売できないんだとか。
「うちの豆腐は、日本で一番濃いんじゃないかな?」
その言葉通り、中島さんが作る豆腐は、とにかくずっしりと重い。
大豆本来のクリーム色をした豆腐は、香り豊かで甘みがあり、驚くほど滑らかです。
中津川にある店舗の他、百貨店や電話・FAXでの注文も受け付けています。
詳しくはHPでご確認くださいね!
蓋を開けたときが出来立ての味。
一度食べたら忘れられない中島豆腐の御豆腐。
“いつも誠実でありたい。”
そんな中島さんの姿に、ますますファンになってしまいました。
中島さんから直接豆腐作りを学べるなかなか無い機会!
<恵那山麓博覧会えなか2015>
プログラムNo.10豆の匠!中島豆腐の職人に教わる本物の木綿豆腐づくり
株式会社 豆の匠 中島豆腐
住 所:岐阜県中津川市手賀野455-10
電 話:0573-65-2591/FAX :0573-65-3572
時 間:9時~18時
定休日:毎週月曜日 その他不定休あり(お電話でご確認下さい。)
WEB:株式会社 豆の匠 中島豆腐