<移住者インタビュー>「サトノエキ カフェ」藤本学さん・麻由美さん
|移住した地域で、古民家カフェをオープン
岐阜県恵那市串原町にある、古民家をリノベーションしたカフェ「サトノエキ カフェ」。
このカフェを営むのは、2016年に恵那市に移住した藤本学さんと、奥さんの麻由美さんです。
名前も知らなかった恵那市に移住し、カフェを始めて約1年。
移住のきっかけから、カフェの運営、また恵那での暮らしについてお伺いしました。
▲麻由美さん。オリジナルTシャツが可愛いですね!
|息の詰まる日々と、独立の夢。田舎暮らしのきっかけとは
ー恵那に移住する前は、どちらに住んでいたんですか。
二人とも京都育ちで、移住する前は宇治に住んでいました。宇治って昔は茶畑もあって田舎な感じだったんですが、今は住宅地になっていて沢山の人が暮らしています。
ー恵那に来る前から、カフェをやるつもりだったんですか?
もともと独立したいと思っていました。
でも京都でお店を始めようと思ったら、お金も沢山必要になってしまうので、田舎に行くのもありかな、と思っていました。
ー恵那に移住するきっかけは何でしたか?
大阪で、移住・定住フェアがたまたま開催されていて、なんとなく軽い気持ちで行ってみたんです。それまで恵那のことは知らなかったんですけど、恵那の方が「遊びにおいでよ」と声をかけてくださったんです。
ー初めて恵那に来た時の印象はどうでしたか?
すごく面白かったです!市役所の方が恵那を案内してくれて、恵那市の飯地町や上矢作町辺りの空き家バンクに登録されている空き家などを見せてくれて。
その時、京都では考えられないような大きさの家が、京都では考えられないような値段で、しかも畑や山付きで売っていることに驚きました。
それからもう一度恵那に来た時に、この建物に出会ったんです。
江戸時代末期の立派な建物で、リフォーム塾で立派にリフォームしてあったのに、誰も入っていない郷土資料館。“もったいないな”と思いましたね。
その日は1回温めよう、と帰ったんですが「やっぱりもったいない!!」と思って。移住することに決めました。
それからは、カフェを運営していくイメージを掴むためにも、何度か恵那には通いました。
ー恵那まで通うのって、大変じゃないですか?
恵那から京都まで、車で2時間30分くらいなので、案外近かったですね。朝に京都を出て10時くらいに恵那に着いて、夕方に出ると夜には着いたので、日帰りで来ていました。
▲学さん。中央に映っているテーブル、実は囲碁盤なんです。
|新しい暮らしの始まり。同世代との出会いの場所
ー恵那での暮らしはどうですか?
恵那の市街地に大きなスーパーやチェーン店があってだいたいはそこで揃うので、思ったほど不便ではないですね。
今はネットショッピングでも買い物ができますし。宅配の人が親切で、家にいないとカフェまで届けてくれます。
あとは、やっぱり寒いですね…!凍結には慣れていないので、坂を下る時のブレーキの加減は怖いです。
ー同世代と知り合う機会は?
串原は「移住した人の会」が時々開催されているので、移住して来たばかりの時に歓迎会みたいな形で参加しました。
そこでご飯を食べながら移住してきた人と知り合えました。住んでいるのは上矢作町なのですが、上矢作ではこども園を通してお母さんがたと知り合いました。
あとはやっぱり、お客さんとして来てくれるのが大きいですね。みんなあったかくて、若い人がいると紹介してくれて、沢山知り合いが増えました。
お家にも行かせてもらえたり、楽しく交流させていただいています。
▲リノベカフェならではの落ち着く雰囲気。
|“恵那に来ないとあり得なかった” 古民家カフェでの1年間
ーカフェを運営していてどんなことが楽しいですか?
色々な方がたくさん来られます!川に犬を泳がせに来たり、カップルで流木を拾いに来ていたり、ダムカードを集めているカップルが来たり…。
それから、名古屋から来る人もいらっしゃいますね。遠方から来た人と地元の人が縁側で仲良くなっているのを見ることもあります。これは京都ではあり得なかったことだなと思います。
ー古民家カフェならではのエピソードがあればぜひ聞かせてください。
年配の方は「懐かしいね」という会話をしているのをよく聞きますね。「あれでむしろ編んでたよね!」とか「あの機織り機家にあったよね」という会話を聞いたり、脱穀機を実際に使ってみたり(笑)
あと、とてもくつろげる場所なので、横になって休まれている方も結構いらっしゃいます(笑)
それだけゆっくりできる場所だと思ってもらえていると思うと嬉しいですね。
▲座布団のカバーや、のれんは手作りなのだとか。
|“こんな生き方もあるんだ” 田舎で食べていく、ということ。
ー恵那で生活してみて、どんなことを感じましたか?
京都の街に住んでいた時は「結婚して子どもを産むと、共働きのすれ違い生活」というのが当たり前の環境だと思っていました。
でも恵那では、みんな家族で仲良く暮らしていけるように働き、悠々のびのびと暮らしています。1つのことで食べて行く、というよりも副業をしている人や、畑をしながら本業をする、という人が多いですね。
食べていく方法は色々あって、こんな生き方があるんだ!面白い!と思いました。
ー最後に、これからの生活に向けて一言お願いします!
色々なことをやりながらの、ギリギリラインの生活。カフェも細々やりながら、ちょっとずつ知ってもらえています。
お客さんも増えて来ているので、長い目で見ながら生活していきたいなと思います。
<編集部のひとこと>
カフェのお客さんのことを話している時の、麻由美さんの楽しそうな表情がとても印象的でした!
「1つのことで食べていくことにこだわらない」生活が、田舎で食べていく1つのキーワードになるかもしれませんね。
田舎でお店を持ちたい!という方はぜひ参考にしてみてください。
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