恵那駅前の変遷と共に歩み続け、創業100年。「和洋亭ますき」で100年の積み重ねを味わう
昭和生まれにはおぼろげに懐かしく、平成生まれには馴染みのない、かつての恵那駅前の情景。どうやらあの建物はかつては街中華だったらしく、あそこの道はもっと狭かったらしい。大きく変わってきた景色と共に歩み続けてきたのが、恵那駅から徒歩2分「和洋亭ますき」。
実は今年、2023年は創業100周年!
現代恵那っ子は知らないかつての恵那の姿と、100周年に始まったあれこれをお届けします。
話を聞かせてくれた人:栗田慎之介さん
1981年生まれ。
株式会社ますき 代表取締役
官設鉄道大井駅前。旅館創業から始まった100年の歴史。
大正12年、恵那駅(当時は官設鉄道大井駅)前。当時の料理旅館、信濃屋で働いていた栗田ますさんが「旅館満壽㐂」を創業したのが100年の歴史の始まりでした。旅館満壽㐂は、夕食と朝食を提供する割烹旅館で、個人で泊まる人もいれば、中央自動車道の建設などに合わせて建設会社が何ヶ月も借り上げすることもあったのだとか。
▲初代栗田ますさんの葬儀の写真。名古屋の会社の名前が見つかります。
時代は昭和に移り、2代目の栗田光子さんの代へ。恵那駅前を東西に走る道路工事をはじめとする駅前の再開発や、時代の変化と共に、旅館業は少しずつ縮小していきました。
▲2代目栗田光子さんと現おかみ。画面左には「満壽㐂」の文字が見えます。
それと並行して、3代目の栗田茂樹さんが、現在に繋がる「和洋亭ますき」をオープン。1990年代になると、旅館ますきは約70年の幕を下ろし、そこからは飲食店一本のますきの日々が始まりました。
2005年には現在の店舗にリニューアルし、その2年後、パスタ屋さんとして独立する形でますき神明店みむらがオープン。2010年からは4代目栗田慎之介さんへと代替わりし、2023年、100周年を迎えました。
▲よーく見てみると、これいつからあるの…!?なものが
驚くべきは、時代の流れや恵那駅前の再開発という大きな変化の中で、それぞれの代の経営者が何度も形を柔軟に変えながら、1つの屋号が2023年まで続いていること。どんな商売でも周囲の環境は年々変わっていくものですが、これだけ変化が大きいのは、恵那駅前という土地柄と、宿泊・飲食という市外のお客さんも多い業種だからこそとも言えるでしょう。
100周年の積み重ねを味わいに!
記念すべき創業100周年イヤーにまず出迎えてくれるのは「ますき百周年御膳」(※2024年3月まで)。「満寿喜」の3文字をとって、メニューは「満」「寿」「喜」の3種類。
「満(みつる)」にはメインに自然薯・飛騨牛ステーキ、「寿(ことぶき)」には自然薯と銀だらの西京焼き、「喜」には大海老天重と銀だらの西京焼きが使われています。
お昼からこんな贅沢に浸れるなんて…!!
食いしん坊編集部、張り切って「満」をいただきました!
飛騨牛と自然薯のダブルコンボが美味しいのは言わずもがな、美味しいを超えて、これだけの贅沢は、とにかく”幸せ”のひとこと。平日に行っても気分は休日です。
お腹ぺこぺこでしたが、地元和菓子店のデザートもいただき、とっても満たされました。
「100周年を記念するからには、今できる全力の贅沢を考えよう、と。皆さんに喜んでもらえるものを考えた結果、大人気の自然薯に、飛騨牛ステーキか銀だらの西京焼きをメインに、と考えました。
その結果、『せっかくなら、おめでたい言葉も並んでいるし「満」「寿」「喜」で3種類欲しい』と色んな人に言われまして(笑)銀だらに大海老天重のメニューを作りました。」
栗田さんの「今できる全力の贅沢」の言葉通りのメニューを前に、ずっと100周年であってほしい〜〜!というのが正直なところですが、メモリアルイヤーだからこそのお楽しみです。
そして、100年間の歴史の中で欠かせないのが、現在はみむらで販売されているパスタ!
今年から、お家で食べられる冷凍パスタが自動販売機で買えるようになりました!!
コロナ禍に水面下で開発されていた冷凍パスタが、100周年のタイミングで満を持してリリースされました。
現在はミートソースとクラシックイタリアンの2種類。
材料はみむらと同じものを使い、調理後すぐ急速冷凍!この工程が、まさにお店の味そのままがお家で食べられる秘密なのだとか。
みむらに設置してある自動販売機で、お店が休みの日でも、早朝でも、夜中でも購入できます。容器ごと電子レンジでチン!するだけなのでとっても楽ちん。
「ゴールデンウィーク明けに始めて、実は続々と売れてます。今はパスタ2種類ですが、料亭のおつまみシリーズ、おかずなど、メニューを増やしていきたいと思ってます。」とのこと。
アエルショップでも販売中なので、遠方にお住まいの方はネットでもお求めいただけますよ〜!
常識にとらわれない発想力で次の100年へ。
最後に、100周年の事業企画をしている4代目栗田慎之介さんに、これからのことをお聞きしました。
「これからは、飲食『店』の形にこだわらずに、全国に通用するやり方を考えたいです。
自然薯や飛騨牛のような地元の武器を持って名古屋や東京に打って出るとかも面白そうですし、オンラインの販路を広げることも考えたいなと。例えば、これまでは恵那のお店に来た人にしか食べてもらえませんでしたが、今回の冷凍パスタだったら、南極の人だろうと、届けたら食べられるという無限の可能性が秘められていますよね。宇宙食かもしれないし、フリーズドライかもしれないし(笑)ますきの歴史を振り返ってみても、前のものを頑なに守った時代は短いです。4代目は常識にとらわれない発想力の時代としてやっていきたいです。」
これからの100年は、もっと変化の激しい時代。
変わらぬ美味しさと、変わりゆく姿を期待して、今日も冷凍庫に潜むミートスパに手を伸ばす編集部でした。
<編集後記>
経営者はやっぱり未来志向!先日の大井プラザの記事もそうですが、やはり皆さん、過去より今と未来の話の方が圧倒的に力が入るものです。「親父がこの冷凍パスタを見たらすごくびっくりするやろうなあ」と笑う栗田さんに、一体次のサプライズは何かなと、こっそりワクワクさせてもらいました。
<お店・ネットショップ情報>
和洋亭ますき
住所:恵那市大井町245-12
営業時間:11:00〜14:00(水〜日)
17:00〜21:30(火〜日)
電話:0573-25-2667
ますき神明店みむら
住所:恵那市長島町中野1丁目10-7
営業時間:平日 11:00~14:30 17:00~20:30
土日 11:00~20:30
電話:TEL:0573-25-0361
冷凍パスタはアエルショップからもお買い求めいただけます!