調味料を変えるだけ!簡単・美味しい麹のチカラを、岐阜県初の薬膳麹士"みかさぎ麹屋"に聞いてきた

健康や美容への効果で、注目の高まっている発酵食品。日本の発酵食品に欠かせないものが「麹(こうじ)」です。

麹の魅力にトリコになり、仕事を退職し、岐阜県恵那市笠置町でみかさぎ麹屋を起業したのが、和田友美(ともみ)さん

和田さんがみかさぎ麹屋を始めたのは、麹の持つ心と体を整えるパワーがきっかけでした。麹の力や、生活への取り入れ方について、和田さんのストーリーと共にお届けします。

体調不良で仕事を休職。回復のきっかけとなった麹との出会い

長年同じ職場で勤めていた和田さんの生活ががらりと変わったのは、今から7年ほど前のこと。

「体調を崩してしまって、仕事を1年間休職しました。休職してから、どんどん気分も落ち込んでしまって、布団から起き上がれない日々が続いていました。」

そんな中でも、元々ご飯を作ることが好きで、ご飯は作っていたという和田さんを友人が連れ出したのが、お隣の瑞浪市で喫茶店のオーナーさんが20年前から行なっていた発酵料理教室でした。そこで知ったのが、腸を整えると自律神経が整うこと、そして一歩目として取り入れられる麹レシピだったのです。

和田さんは、早速教室で習ったことを家庭の料理で実践。少しずつ和田さんの体調も良くなると共に、こんなにも力を持っているなんて!と、麹の魅力にのめり込んでいきます。

「体調が良くなって仕事に復帰してからも、仕事が終わってからや休みの日を使って、麹の勉強をしていました。学びを深めるうちに、自分の体が良くなったこの発酵のパワーを、もっと知ってもらいたい!伝えたい!という気持ちが高まっていって。家族を説得して、退職しました。」

2020年4月。ここから和田さんの麹尽くしの生活が始まります。

みかさぎ麹屋

仕事を辞めて1ヶ月も経たないうちに、和田さんは麹士の資格を取得するために博多へ。
先生のもとで座学や実践を重ね、見事岐阜県で初めての薬膳麹士になり、翌年2021年、みかさぎ麹屋を起業しました。

みかさぎ麹屋
△麹室を作る和田さん

また、麹士初級の後に、中級、上級、元も難しい薬膳麹士、2022年には国際中医薬膳師という、中国伝統医学に基づく薬膳の資格を取得。

「人に伝えるからには、誰よりも勉強しないと」と話す和田さんは、幅広い知識を身につけながら、着々と恵那市内で麹を広めています。

魚の皮まで食べちゃった!と子どもが喜ぶ麹のチカラ

地元の料亭さんのお肉の下ごしらえをはじめ、みかさぎ麹屋の塩麹は、学校給食にも使われています。

恵那市では、毎月19日に恵那市にゆかりのある料理や、地元で作られた食材を使用したえないっぱい給食が実施されています。このえないっぱい給食で、みかさぎ麹屋の塩麹に漬けた、中津川市産の更紗マス焼きが提供されました。

「子どもたちが、美味しくて皮まで全部食べちゃった!という話を聞いた時はとても嬉しかったですね。中には、お子さんにまた食べたいとお願いされて塩麹を買いに来たお母さんもいました。」

誰よりも味にうるさく素直、と言っても過言ではない、料理人さんや子どもたちから支持されるみかさぎ麹屋の塩麹。名古屋や東京からのネット注文でのリピーターも多く、体に良いからという理由以上に、美味しさでファンが増えてきています。

自分の生活に麹を取り入れよう!

麹を買って自分で調味料を作る人もいるそうですが、最初の一歩目としては正直ハードルが高いですよね。

最初の一歩は、みかさぎ麹屋の定番商品の甘糀・塩糀・甘黒糀・醤油麹がおすすめです。

みかさぎ麹屋

まず、砂糖代わりに甘糀(あまこうじ)を、塩代わりに塩糀を取り入れてみましょう。

和田さんのおすすめは、塩糀を使った肉じゃがとかぼちゃの煮物。砂糖や醤油を入れず、塩麹を入れるだけで、十分に美味しいのだとか。
早速編集部も、塩糀で豚バラの炒め物を作ってみたところ、”あれ、自分の料理の腕が上がったのか…!?”と錯覚するほど、旨みが引き出されていて感動…!!

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△醤油麹と塩麹

醤油麹は、みかさぎ麹屋オリジナルの配合で米麹と醤油をブレンド。ご飯に乗せたり、冷奴に乗せたりするのがおすすめです。編集部のおすすめは、納豆に混ぜて食べること!タレの代わりと表現するにはもったいないような深みが出ます。

甘黒麹は、少し酸味があるのが特徴。ドレッシングにしたり、ヨーグルトに入れたりするのが簡単でおすすめです。

麹のいいところは、簡単で美味しいところ。麹を作るまでの過程が長い分、一般的な調味料と置き換えるだけで簡単に美味しいものができるんです。

「これを食べるべき・これを食べないべき、ではなくて、身近なところから食生活を見直して、発酵食を取り入れながら旬のものやなるべく添加物の入っていないものを選び、美味しいもの、食べたいものを食べる。そうすることで心と体が整っていくと思います。恵那市には麹屋さんがいくつもある発酵食が身近な環境ですし、発酵食に目を向けてもらうきっかけをこれからも作っていきたいです。」

まずは1つ、調味料をときどき麹に置き換えてみるところから。悩んだときは、ぜひみかさぎ麹屋のホームページや、イベント出店で和田さんにお問い合わせしてみてください。

===編集後記===

麹を探求し続ける和田さんの姿に、ただただ惚れ惚れとする取材でした。ちなみに、和田さんの2人のお子さんは、小学生から高校生の間、1回も学校を休まなかったのだとか…!健康すぎる…!!「大学生になってから、お家のご飯が食べたい、と娘に言ってもらった時は嬉しかったねえ」と語る和田さんを見ながら、麹料理レパートリーを増やしたくなった編集部なのでした。

<みかさぎ麹屋>

住所:岐阜県恵那市笠置町姫栗1602-2(作麹所)

・麹の購入は、ホームページのお問い合わせから
・Instagram みかさぎ麹屋

・塩麹を使った料理のアイディアは、恵那市「エーナ健幸発酵レシピ12」もおすすめ!

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